オリンピックイヤーがやってきた。.

冬のオリンピックといえば,ここ数年はフィギュアとモーグルという感じが強くて,中でもマイナースポーツであるモーグルは2人の女子選手がずっと引っ張ってきた.最近は上村ばかりが持ち上げられるが,里谷の日本人らしからぬ勝負強さと天才性は凄まじい.

上村はウィスラーでモーグルというスポーツに出会ったらしい.努力家タイプの彼女は,しかしワールドカップの年間チャンピオンのタイトルを取っている人なのでもはや努力の人という言葉は(結果が出ない人という印象があるので)あたらないかもしれないが,ターン技術ひとつとってみても,いいコーチの指導を受け,ひとつづつ技術を磨き獲得してきた遅咲きのタイプである.長野から少しづつ七位、六位、五位と結果を上げてきた、人気のある選手だ。


一方の里谷は,ここ数年は怪我に悩まされ,満足のいく結果を残せていない.期待が大きいせいか、態度が悪いせいなのか、マスコミのバッシングは大きく四面楚歌の状態が続いている.しかしいまだターンのキレとスピードは天才的だし,ここ一番の凄まじいまでの集中力にはどこか周りの人間に期待を抱かせるところがある不思議な選手だ.もう五度目のオリンピックだし,さすがに難しいかもしれないが、ここ一発にかけてくると思う.

努力家は何万回努力すれば,天才に勝てるのか.永遠の問いに対する答えは,どうでるのか.もちろんこの二人だけじゃなくて,世界には若くて才能に溢れた選手はたくさんいるだろうし,努力家はいわずもがな.バンクーバーから車で2時間くらいのウィスラーに2年ほど前滞在したことがある.いい場所だった.レースが始まる.