学生さんとみんなでレンタカーで野島断層メモリアルへ.

あの火をみたとき,からだは自然に神戸に向かっていた.瓦礫の下に潜って探したものは,階下で眠っていた姉弟のそのまま生き埋めになった両親の写真だった.野火とはならなかった.死体は冬で腐らなかったためだ.写真は見つかり無事に見送ることができた.後になって手紙が届いた.幼い文字だった.

圧倒的な痛みや苦しみ,その後に訪れる絶望.時間を経てもいつまでも追いかけてくるその暗い感情は,生涯薄れることはない.寧ろ時間と共に鮮明になっていくようで,一発で自分を打ちのめすそういう暗い感情と,しかしそれでも向き合って生きていくしかない.

慰霊塔の前で手を合わせて,神戸の方を向いて祈った.