原稿書き.東京は日暮れが早くなった.

飲み会に出たが,4年生におもしろい人が多い.つっけんどんな人がそれなりの対話をしているのがおもしろくもあり.成績が悪い人のほうが後で伸び代があるような気がするのはいつものこととして,学生さんはそのとき,そのときを本当に大切に思っていればよく,それはどこかで刹那的なように見えたり,自分の感情を押し付けているように見えたとしても,しかし刹那的じゃなくて,先のことばかり考えてバランスをとるなんていうのは,余程今と真剣に向き合っていないということだろう.そういう風にその場,その場で全力を出せるような環境を与えたほうがいいのかもしれない.しかしそういう環境というのは,結局研究みたいな一見すると小さなコップの中にあって,社会と向き合ったようなことをやってしまうと,どうしたって本人が負いきれない責任だとか,その先どうなるとか,結局はとか,そういう実にどうでもいい,しかし無視できない話になってしまうから,先のことを,その人ができる範囲のことを考えざるを得ない.逆にコップも中の話というのは,一見小さく見えたとしても,それは思っているよりも大きく果てしないものだと思ったりもするが,そういう眺めはかなり先の先の際までいかないと見えてこない.だからコップの保証を他人に求めたり,他人の結果やその意味が気になったりするのだろうか.

二つの世界の隔たりは埋められることはない.南方郵便機を機内でまた読み返した.

喉が渇いていた.虫の鳴き声がする.