hato08162009-10-01

徳山.

裁判所で判決を聞いてきた原告側のSさんから,鞆の浦の判決文をいただく.市長の顔が思い浮かんで,苦笑.

宮崎さんのコメントは的確である.差別に蓋をして街の人々の心を割いて,保全保全と根拠なく茶番を繰り広げる人たちに対してどこまで身勝手なんだと怒りが先にたっていたが,,この判決は全うである.しかし地方の実情はすごく逼迫している.

同じような規模の街である今治と徳山.同じような予算規模(たぶん100億程度)でスタートしたプロジェクトだが,現時点での進捗は全く異なったものとなっている.アーバンデザイナーの不在が招いた結果という気もするが,寧ろ情報公開と対話の方法論がきいている.横文字でお洒落なことを建築的手法論で展開しても全く市民にはちんぷんかんぷんという印象が強い.人間を大切にしない,内輪ノリのプロジェクトの脆弱さ.しかし問題は寧ろその先にある.ポピュリズムに陥らないようにどこまで精度を上げられるかという問題に移行していくのではないか.と思った.

帰りの新幹線で,いろいろ説教を受ける.人が人に期待したり託したり希んだりする.というのは果たしてどういう気持ちなのか,よくわからん.しかし,少なくとも理論家は,その理論を実証する必要はあるのだろう.実証の過程で理論の綻びや可能性がまた見えてくるのだろう.それは果てのないものであると思う.

往復10時間.疲労困憊.

7