六本木のI崎さんの事務所にN藤さん経由で呼び出される.中国沿岸都市のプロポーザルへの参加依頼.

中国のプラニングと日本ではまったく進むスピードが違う.移動設計について自分のもっている尺度とコンセプトはシンプルで比較的持続可能なものだと思う.ハードアプローチはビジョンとして美しいかもしれないが,現実感がないのだ.廃墟から構想するような経験を自分自身が持っていないせいもあるだろう.I崎さんは戦前の生まれなので,そのあたりの感覚は違うように思う.廃墟を前提にしたプラニングやデザインセンスがあるとでもいえばいいだろうか.オレと同世代以下でデザインを考えている人のつまらなさはそのあたりからきているのではないだろうか.切実さが足りないし,批判力も足りない.内実は空間と生業が融けていっているはずなのだだが,そこをしっかりともう一度結びつけようという力が圧倒的に足りていない.I崎さんと話していて思った.

10月末までなので中国のプロジェクトにしては時間があることになる.