いろんなことがうまくいかなくて,ぼろ雑巾のように毎日働いて疲弊して倒れこむように一日を終える.最後はそういう生活だった.そういうとき,じっとだまって耐えるだけだった.自虐的になることで力が出ることもあるが,あまりそういう趣味はないし,元来空っぽで何もない人間なので,訥々と日々をすごしていた.しかし渇いているというような感覚がどこかにあったかもしれない.しばらくしてそういう生活から逃げ出すように去った.振り返って,いや振り返ったりしなくても,どこかで救われたように思うことがある.それはきっと自分のどうにもならない空っぽさを埋めるような何かがあったからだと思った.それはかけがえのないものだ.