hato08162007-02-25

高速バスで南へ移動.駅から4kmほど歩いて,木の香りのするよいホールで1時間ほど話し,パネルディスカッションをした.

牧野は幼い頃に父と母を死別で亡くしている.以降祖母に育てられ,一人東京に出て研究に没頭することになる.独学で生涯,ただ採集旅行を続けた.当時の人にしては珍しく笑った顔の写真が多く残されていることをどうにも不思議に思った.晩年に書いた文章を見た.
「草木は私の命でありました.草木があって私が生き,私があって草木も世に知られたものが少なくないのです.草木とは何の宿縁があったものか知りませんが,私はこの草木の好きなことが私の一生を通じてとても幸福であると堅く信じています.そして草木は私にとって唯一の宗教なんです.私は生来ようこそ草木が好きであってくれたと,どんなに喜んでいるか分かりません.それこそ私は幸せであったと何時も嬉しく思っています.」