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オレは雨は好きなんだけど．
小さいころ，一人で山の中を歩いて，すこしひんやりした森の匂いをくんくん嗅いだり，ものすごい勢いで流れる川を見に行くのが好きだった．
畦道を歩いていると，蟹が石積みの間から這い出てきた．田圃の緑の濃さば場所によってずいぶんむらがあるのだと気づいた．水の温度は水路からの距離で決まるし，土の栄養も均等ではないから生育の仕方にばらつきがでるのかもしれない．などと，村の酒屋で話しこんでいた．じっとゆっくり長い時間，同じものをみていると，ちっぽけなことが思い当たり，積み重なり，そういうことが大切ではないかと思った．