中田が懸命に意図を込めて動き回った.川口が奇跡的なセーブを続けた.しかし点は点のままで,意図をもってつながらなかった.ロナウドミュラーの記録に迫り,日本は,息切れし,そして尽き,終わった.

確か,代表に選ばれる前にリゾートに行っていた選手がいた.カズはフランス大会が終わるまで練習を一度だって休まなかった.いつ呼ばれてもいいように.何が起こるかわかんないから全力を尽くす.と,彼は言っていた.そういうカズを笑う人もいた.

別に何を,どうしようが,個人の自由だ.ただ,いつか,みんなに終わりはやってくる.そうと気づかなくても,終わりはいつか必ずやってくる.全力を尽くしていようが,懸命であろうが,おかまいなしだ.いつだって力の限りを尽くすことは難しい.

2002年の夏からもう4年が過ぎた.あの時,死のF組でバティの肩で泣いたクレスポの姿が印象に残った.昨日,中田がずっと一人で泣いていた.僅かばかりの人だけが,この道が,真っ直ぐに世界に通じていると信じ,わき目もふらず,ただ直向に進み,力の限りを汲みつくし,それでも足りないものがあると知る.そして,その結果と正直に向き合った強い人だけが,次へいけるのかもしれない.

たらればに意味はない.結果がすべてだ.ワールドカップは4年に一度だけだから.