車で400kmくらい移動.畦を歩いた.たよりない仄かな光.

農家の人々と一緒に村の酒屋で,酒を飲み交わし,米の作り方や,畦の石の積み方を夜遅くまで話した.殆ど高齢の方々で,言葉は少なかったけれど,どこかみなやさしく,なんだか死んだ爺様を思い出しちまった.

子供の頃,爺様の家に預けられていた頃があったが,爺様の家はすんげー山の中のはるか雲海がみえるような場所にあった.夏が始まる前にやってきた人と,2人で蛍を見に行き,沢の草叢から逸れた,たよりない光が,蛙の鳴く棚田の畦を,ゆるりと舞っていたのをみた.